中小企業庁が主催する後継予定者向けピッチイベント「アトツギ甲子園」の第7回大会が、2026年11月25日午後6時でエントリーを締め切ります。応募書類の提出は27日正午までです。
支援機関などの推薦で参加する場合は、推薦者の申し込み締め切りが20日正午と5日早く、実際にはこの日が期限になります。地方大会は2027年1月19日から2月8日まで6ブロックで開かれ、決勝大会は2月26日に東京で開催されます。推薦で出るつもりなら、11月25日を締め切りと考えて準備すると間に合いません。20日までに、推薦者に申し込みを済ませてもらう必要があります。
社内で新規事業を立ち上げる研修の費用と進め方は、資料にまとめています。
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この記事の目次
- 対象は39歳以下、代表就任前に限る
- 決勝に進めるのは全国18人
- 推薦で出るなら、20日の締め切りに注意
- 審査基準は非公表、開催の趣旨から読み取る
- 準備は、家業にあるものを書き出すところから
- 出場することは、先に現社長へ伝えておく
- 落選しても得られる三つのこと
- 大会で話す構想を、実際に始めてみる場
- Q&A
対象は39歳以下、代表就任前に限る
応募できるのは、39歳以下で代表権を持つ前の後継予定者です。1987年4月以降に生まれた方が対象になります。勤務先は中小企業・小規模事業者に限られます。
親族外承継も対象に含まれます。社内から後継者に指名された従業員も応募できます。
一方、すでに代表取締役に就任している方は出場できません。事業を継いだ直後の社長は対象から外れます。
事業内容にも制限があります。公的資金の使途として社会通念上不適切な事業、公序良俗に反する事業、法令違反のおそれがある事業は対象外です。
決勝に進めるのは全国18人
大会は、エントリー、応募書類の提出、書類審査、地方大会、決勝大会の5段階で進みます。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月3日 〜 11月25日18:00 | エントリー受付 |
| 11月20日12:00 | 推薦者からの推薦 締め切り |
| 11月27日12:00 | 応募書類の提出 締め切り |
| 2027年1月19日 | 地方大会 北海道・東北(宮城県) |
| 1月25日 | 地方大会 関東(東京都) |
| 1月28日 | 地方大会 中部(愛知県) |
| 2月1日 | 地方大会 近畿(大阪府) |
| 2月4日 | 地方大会 中国・四国(香川県) |
| 2月8日 | 地方大会 九州・沖縄(熊本県) |
| 2月21日〜26日 | アトツギWeek |
| 2月26日(金) | 決勝大会(東京建物 ぴあシアター&カンファレンス) |
各ブロックから3人が決勝へ進みます。全国で18人です。第6回大会の決勝も、各ブロック3人の計18人が出場しました。
決勝では経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、イノベーション・環境局長賞などが贈られます。
研修を使って社員に新規事業を担当させる場合の、費用と進め方はこちらの資料で確認できます。
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推薦で出るなら、20日の締め切りに注意
推薦で参加する場合は、次の順番で手続きをします。
- 推薦者が本人に承諾を確認する
- 本人が承諾する
- 推薦者が事務局へ申し込む
- 事務局から本人にメールが届き、本人がエントリーフォームで推薦エントリーを選ぶ
推薦者、本人、事務局のあいだで順番にやり取りをするため、11月20日正午の締め切りには余裕を見ておく必要があります。支援機関や金融機関から推薦を受けるつもりなら、声をかける時期を含めて10月中に段取りを終えておく必要があります。
応募時には、プロフィール情報と本人の写真も提出します。写真は拡大してもぼけない未編集のものを求められます。撮り直しになると、その分だけ準備の時間が減ります。
審査基準は非公表、開催の趣旨から読み取る
大会の審査基準は公表されていません。ただし主催者が掲げる開催趣旨には、対象となる取り組みがこう書かれています。
家業の経営資源を活用しながら、新規事業を通じた企業の戦略立案能力、後継者自身の発信力、実行力などの能力育成を目的とした取組
ここから二つのことが読み取れます。
一つは、家業の経営資源を使うことが前提になっている点です。家業と切り離した起業アイデアは趣旨から外れます。家業の設備、技術、顧客、仕入先、人のうち、どれを使う事業なのかを説明できる必要があります。
もう一つは、能力育成が目的に含まれている点です。アイデアの新しさだけを競う場ではありません。後継者が戦略を立て、発信し、実行する力を身につける場として設計されています。試作品を作った、取引先に話を持ちかけたなど、すでに実際にやっていることがあれば、それを応募書類に書いてください。
大会のテーマは「実現したい未来を語れ」です。将来どうしたいかという話と、いま実際に何をしているかという話の両方が求められます。
準備は、家業にあるものを書き出すところから
応募書類を書く前に、家業に何があるかを書き出す作業が要ります。新規事業のアイデアから考え始めると、家業と関係のない案になりがちです。
書き出す対象は五つあります。
- 設備。何が作れる機械があり、稼働率はどの程度か
- 技術。他社がまねできない工程はどれで、誰が持っているか
- 顧客。何社と取引があり、どんな業界の会社が多いか
- 仕入先。どこから、どんな条件で買えるか
- 人。何ができる人が何人いるか
このうち二つ以上を使う事業にしてください。一つだけだと、家業でなくてもできる事業になってしまいます。
書き出すには、現場の人に話を聞くことになります。この聞き取り自体が、社長になったあとに役立ちます。会社にどんな設備や技術があるかを知らなければ、社長として判断ができないからです。
エントリーは11月25日、地方大会は1月19日以降です。この2カ月のあいだに実際にやったことを、大会で話すことができます。エントリーの時点で事業ができあがっている必要はありません。
出場することは、先に現社長へ伝えておく
※ この節は、encoが第6回大会でenco賞を授与した経験から加筆予定。出場者が現社長をどう説得したか、審査で何を見たかを入れる。
応募書類をつくるには、社内の設備や顧客の情報を使います。現社長に知らせないまま準備を進めるのは難しいので、出場を決めた時点で伝えておくのが確実です。
伝える内容は三つに絞ってください。いつ何をするか。家業の何を使うか。落選した場合でも会社にとって何が得られるか。
家業と関係のない案だと、現社長には家業を否定されたように聞こえることがあります。家業にあるものを書き出すところから始めた案なら、家業の何を使うのかを最初に説明できます。
落選しても得られる三つのこと
結果にかかわらず、出場の準備を通じて次の三つが得られます。
一つは、家業にある設備、技術、顧客などの一覧です。次に新しいことを始めるときに、そのまま使えます。
二つめは、自分の事業案を人に説明した経験です。社内の会議でも金融機関との面談でも、同じ内容を話すことになります。
三つめは、社内での見られ方です。帝国データバンクの2025年の調査では、社長就任の経緯は内部昇格が36.1%となり、同族承継の32.3%を上回りました。血縁を理由に社長になる形は、すでに最も多い形ではありません。新しい仕事を一つ自分で始めたという経験は、社長になったあと、社内に自分の考えを説明するときの裏づけになります。
大会で話す構想を、実際に始めてみる場

アトツギ甲子園の趣旨は、家業の経営資源を使った新規事業を通じて、後継者が戦略を立て、発信し、実行する力を身につけることです。
新価値創造プログラムは、受講者が自社の新規事業または社内プロジェクトを実際に立ち上げる研修です。全10回・約6カ月のあいだに、受講者は一人一つ、必ず事業かプロジェクトを立ち上げます。
進め方は次の順番です。
- アイデアを「誰に、何を提供するか」まで言葉にする
- 想定する顧客に話を聞き、本当の課題を見つける
- 競合と比べて、自社が提供する価値の違いをはっきりさせる
- 試作品をつくり、収益の見込みを立てる
- 最終回で事業計画を発表し、実際の顧客の獲得を目指す
複数の会社の社員が一緒に受講するため、自社の外の人から意見をもらいながら進めます。具体的な新規事業のアイデアがない段階からでも参加でき、最初の2回はアイデアを出すところから始めます。
大会で話す構想を、研修の中で実際に始めてみる使い方もできます。想定する顧客に話を聞く工程や、最終回に人前で事業計画を発表する経験も含まれます。出場するかどうかにかかわらず、後継予定者が家業の中で新しい事業を一つ立ち上げる経験を積めます。
研修の費用の組み方と、始めるまでの手順は資料にまとめています。
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Q&A
エントリーはいつまでですか
2026年11月25日18時までです。応募書類の提出は27日正午まで、推薦者からの推薦は20日正午までとなっています。推薦で出る場合は11月20日が実質の締め切りになります。
何歳まで出られますか
39歳以下です。1987年4月以降に生まれた方が対象になります。
すでに社長に就任していますが出られますか
出られません。代表権を持つ前の後継予定者が対象です。
親族でなくても出られますか
出られます。親族外承継も対象に含まれ、社内から後継者に指名された従業員も応募できます。
事業がまだ形になっていませんが、エントリーしてよいですか
かまいません。エントリーは11月25日、地方大会は1月19日以降で、この間に実際にやったことを大会で話せます。ただし家業の経営資源を使う構想であることは、応募書類の時点で必要です。
決勝には何人が進みますか
地方大会6ブロックから各3人、全国で18人です。第6回大会の決勝も18人のファイナリストが出場しました。
家業と関係のない新規事業でも応募できますか
趣旨から外れます。主催者は「家業の経営資源を活用しながら」と明記しています。設備、技術、顧客、仕入先、人のどれを使うかを説明できる構想にしてください。
新規事業を社内で立ち上げる研修の費用と進め方は、次の資料にまとめています。
▼ 【2026年8月改正対応】新規事業研修で使えるリスキリング助成金の全て
本記事は2026年9月19日時点の公開情報に基づいています。日程と要件は主催者の発表でご確認ください。
[出典]
アトツギ甲子園 公式サイト「第7回 開催概要」
https://atotsugi-koshien.go.jp/about/
アトツギ甲子園 公式サイト「エントリー・推薦の流れ」
https://atotsugi-koshien.go.jp/entry_flow/
経済産業省「第7回『アトツギ甲子園』のエントリーを8月3日より受付開始します」2026年7月15日
https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260715003.html
第7回「アトツギ甲子園」運営事務局 プレスリリース(共同通信PRワイヤー)
https://kyodonewsprwire.jp/release/202608023541
帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/

